totoruができるまで 5


ながらく改装ブログがストップしてしまいました。
何事もきちんと続けることが大切ですね。
帯をしっかり締めなおしてまた更新していきます!



さて!これまで

第一回目  「物件との出会い」
第二回目  「大工さんとのキャンプ」
第三回目  「設備工事」
第四回目  「2つの入り口」


と紹介させていただきました。

続きまして第五回目となる今回は、
大好評の「トイレ」です。
今もたくさんの方々に楽しんでいただいています。


空間をどうつくりあげていくかを考えていた中で
一番最初に全体像がはっきり決まったのがトイレでした。

誰もが使用する場所で、多くの人が楽しめるように。
居心地がよく、楽しいトイレであってほしい。
そんな想いをカタチに。

トイレの施工を担当したのは「ヒロさん」。

渋めの風貌に甘いマスクをかぶったお茶目な大工さんです。
後に「トイレの神様」の異名を授かります。

ヒロさんと初めて知り合ったのは、沖縄。
山奥で「ストローベイル」という藁の家を建てていました。

それから約5年経ち、茗荷谷で再開です。




そんなヒロさんがトイレづくりの先頭に立ち
施工スタートです。

まずはトイレの位置決めから。
全体のレイアウトがある程度見えてきたところで、自然とトイレの場所も決まりました。
ただ、柱と階段下にできたデッドスペースが悩みどころです。


頭がぶつからないように、狭さを感じないようにと
考えを巡らせながら話し合っていきます。




前にも書きましたが、ここの施工方法はちょっと変わっていて
始めに全部の設計図を作りません。
方向性を決めて、後は話し合いながら進めていきます。

そのぶん時間もかかるけれど、愛着も面白さも湧いてきます。
場所をつくる上で、これが一番大切なことだと思います。

たくさんの発見を生かせるように
まずはトイレになる場所でできるだけ時間を持つこと。
休憩中もトイレになる場所です。
こうした時間が一つ一つのアイデアに繋がります。



徐々にトイレの仕様が決まってきたところで製作に取りかかります。

まずは土台づくり。
トイレ全体を左官で仕上げるため、丁寧にしっかりと
土台となる木材を組んでいきます。




左官で動きを出していくため、土台の木材もクネクネ曲げます。

この時点で全体像が見えているのはヒロさんだけ。
僕らは「こんな感じ」ということしかわからないので、どうなるのかワクワクです。


この網はラス網といいます。
ここに下地のモルタルを塗っていきます。



トイレ以外も骨だらけ。
何事もしっかりとした骨が必要ですね。
ここに肉付けをしていきます。





トイレの仕様を左官にすることが決まってからたくさんの壁サンプルも作りました。
あーじゃないこーじゃないを言い合いながら決めていきます。

左官のサンプルたち。








モルタルでトイレ全体を塗っていきます。
いよいよ肉付け作業。
だんだんと洞窟に近づいていく。



塗りに入ったらあっという間。
下地の完成です。やっと全体像が見えてきました。
このままでもかっこいいのですが、このあと仕上げに取りかかります。



隅々まで納得のいくように仕上げていきます。

職人さんの横顔は本当にかっこいいんです。
現場中はこのキラキラした目にたくさん刺激を受けました。




完成に近づいていきます。
もはや洞窟。



洗面台です。ここを水が流れていきます。
防水加工をし、スムーズに水が流れていくように仕上げます。

丁寧に丁寧に磨いていきます。
時間をかけて。気持ちを混めて。




山で拾ってきたシカの角をドアの取っ手として取り付けます。



ドア完成!かっこいい!



ウォータースライダーの流しも完成です。
デッドスペースだった場所も水の通り道に変わりました。



ここで滝ができます。




トイレが完成です!
完成後、もちろん一番最初に使用したのはヒロさん。



デットスペースでも、無難決めず一生懸命使用する人のことを考えながら
進めていけば、こんなにも納得するものができるだと勉強になりました。


ブログでまとめるとあっという間ですが
トイレ一つでもたくさんのストーリーと想いがあります。


僕らが空間をつくる中で大切にしていることは
「温度」です。
丁寧に愛情を込めて「現場」を「店」に仕上げることで
一つ一つのモノたちに暖かさが宿ると思っています。
その暖かさは居心地の良さやいい空気感に繋がると思うんです。
だからこそ時間はかかっても暖かみのあるいいものをつくりたい。

自分も含め、多くの人に「いい場所だなぁ」って感じてもらえるように。




 

totoruができるまで 4

 
少し期間があいてしまいましたが、totoruができるまで、第4弾です。
 
今回はお店の「入り口」について。
 
cafe&bar totoruは入り口が2つあります。
「totoru」という名前の由来にもなっている
ビラとビラがツナガ空間」をもじって「トトル」
 
この物件と初めて出会ったとき、両方の入り口を通り抜ける風がとても気持ちよかったのを
今でも覚えています。

 



この場所でお店をやろうと決めたきっかけにもなったこの2つの入り口。
この2つのトビラの工事を紹介します。



 
2つの扉とは、春日通りに面した入り口と、春日通から不忍通りに抜ける道(僕らは「裏通り」と呼んでます。)に面した入り口。

まず最初に紹介するのは、春日通り側から。



 

まずは入り口の基礎作りから



 

ここにみんなで思うがまま小物を置いて装飾していく。




入り口はガラス張り。
店内が見えて、光が差し込むように。
 
ここで重要なのが手造りの鉄フレーム。
フラットバーという鉄の平棒を焼きながらひたすら叩いて模様をつけていく。
 



これも、鉄職人の竜が
「そうした方がかっこいいから」
の一言でやることが決定。
筋肉痛になるくらいひたすら叩く。









 
叩いたフラットバーを溶接して組み立てていく。


 
ガラスには飾りとしてカヌーのパドルを取り付け。
パドルにも種類がたくさんあり、本を見ながらここに合うものを選ぶ。
 












そして裏通り側の入り口も同時進行で進めていく。
 

みんなでピクニック感覚でご飯を食べながらアイデア出し。


 
裏通りの入り口は間口が大きいので
外で過ごすのが気持ちのいい季節には、解放できるように折りたたみ式に。
 

折りたたみ式の鉄フレームも手造りで。



そして春日通りとは違い鉄で樹を表現。
枝先には鳥を。
 






実はこの鳥のモデルは「ハシグロヒタキ」
アラスカからアフリカまで往復29,000キロも移動する渡り鳥。

 
こんなにも飛び回る鳥も
ゆっくりを羽を休められる気持ちのいい空間で在り続けられるように。







 
そして完成がこちら。



春日通り

 






裏通り

 












この2つの入り口を通り、たくさんの人たちが行き来する。




 

totoruができるまで 3

 
前回からちょっと時間がたってしまいましたが、「totoruができるまで」第三弾です。


 
キャンプを経て、それぞれ思い描いている形を共有することができた。
新しい発想もどんどん浮かんでくる。本当に行ってよかった。
工事期間中はとことん楽しもう。
それは誰もが心に決めたことだと思う。
それと同時に、やはりこの人たちと一緒にお店をつくりたいということを再確認できた。




 
11月中旬から末にかけてやることは2つ。
1つは、より具体的に空間について話し合っていくこと。
これは今までの延長線。より濃く、より面白くしていく。

もう1つは、電気、ガス、水道の工事を進め、作り込み期間の準備をすること。
これをやらなければお店は出来ない。
電気屋さん、ガス屋さん、水道屋さんに来てもらい、慎重に今後のことを考えながら進めて行く。


 
この期間中、たくさんの本やネットを駆使しながら、頭の中にあるフワフワしたものたちを一個ずつ見える形に当てはめる。
ここでわかってくるのは、世の中面白いことしてる人だらけだってこと。
世界中の独創的な作品をかいまみる。
すごい。
面白いと思いついたことはたいてい誰かが形にしている。
たくさんのヒントになるものが転がっている。
これもいいねぇ。あれもいいねぇ。
って言いながら詰めていく。

気になった写真を壁に張り付け話し合う。


ただ、ここにはここの形がある。
「見えてきた形」をまたみんなでコネコネと練る。
この時間がものすごく楽しい。
「自分たちで創る空間」
イコール、何してもいいしどんな形にだってできる。
(この後に「建築基準法」とか「消防法」とかで問題はたくさん出てくるわけだけど、、、)


トイレは楽しく!カウンターはインパクト重視で!
ジャングル作ろう!(?)ハンモック吊るそうか!
天井を面白くしたい!滝をつくろう!(?)
屋根作っちゃおう!店内に大木を生やす!
川作ろう!(?)
みたいな感じで。。

 
デザイナー あずくんが図面やスケッチでわかりやすく内容を濃くしていく。
一個ずつ一個ずつ、パズルのピースみたいにできていく。
もう一度言うが、この時間はものすごく楽しい!!
誰かの一言によってtotoruの形が決まってしまう。
ふざけて話していたことが、現実になるかと思うとワクワクが止まらない。
これが本当に現実になるのか!?って。




毎回スケッチができていくのが楽しくてしょうがない。



トイレをどうするか話し合う。


トイレのスケッチ。
スケッチは何度も何度も書き直しを繰り返し、どんどんパワーアップしていく。







そして、この作業と平行しながら工事の下準備をしていく。
実際に体を動かしていく。

もともとあった壁を削ってきれいにしたり

電気、ガス、水道の工事をしたりと

 
壁や床のサンプルも作っていき
常に話し合いながら進めていく。
壁サンプル、たくさん作ってあーでもないこーでもないを繰り返す。



「革の床」のサンプル作り。
サンプルを作ると常に改善点が見えてくる。そこを解決しながらどんどん進めていく。









このあと実際に壁を造っていき、もろもろの作り込みがスタート。
ここからは本当に時間が進んでいくのが早かった。





今後は「カウンター」や「トイレ」「テラス」など、ピンポイントでブログを書いていこうと思います。










ちなみに、ちょうどこの頃ONIBUS COFFEEと出会う。
現場で最初に入れてくれたコーヒー、おいしかったなー。
いい空間とおいしいコーヒーは本当に合う。









 

totoruができるまで 2

totoruができるまで第2弾!
今回はtotoruを創るうえで一番最初にとった行動
「みんなでキャンプ編」
2013年10月23日 物件契約
ここから約1ヶ月間は、大工さんたちと連絡を取り合い作業予定を決めたり、空間のアイデアを出し合ったり、これから始まる怒濤の工事期間で必要ものをそろえたりとあっという間に過ぎ去っていった。
店を創る上で最初から決まっていたことは
「開放感」と「風を感じる」の2つ。
アイデアの共有が必要だし、もっともっと感性を刺激したい。
ということで、
「みんなでキャンプに行こう!!!」
と、千葉県銚子市を経由し栃木県の那珂川へ。
11月15日
朝早くに集合し千葉県銚子市に向け出発。
車3台で高速を飛ばし
昼過ぎには銚子 犬吠埼に到着。
海鮮丼を食べた後、海の近くで時間を過ごし
屏風ヶ浦の崖を上り
夕日を眺めた
180°に広がる海。
こういう時間は大工さんたちと初めて過ごす。
アイデアの共有よりも、個々が今までよりも解りあえた時間だと思う。
翌日は朝早くから栃木県へ向け出発
連日で天気は快晴
暗くなる前に栃木県那珂川へ到着
テントを張り
カヌーで遊び
栗を拾い
鮭を釣り
火をおこす
それぞれ好きなことを話し
好きなことをし
自然を楽しむ
これから始まる工事
それぞれが思い、感じる
「空間をつくるということ」
酒を飲みながら、火を囲み
話す
このキャンプで、よりはっきりとわかったこと
「このメンバーで店を創りたい」
店ができてからわかったことは
どれだけ設計図をしっかり作るよりも
どれだけ予算をしっかりたてるよりも
どれだけ予定をしっかり立てるよりも
店作りに携わる人たちが
どれだけ時間を共有し
どれだけわかりあえるかが大切だと
強く思う。
好きな人たちと好きな空間を作ることは
とても楽しい。
大勢の人たちが
一つの目標に向かい
一つの空間を創る為に手を動かす。
とても素敵なことだと思います。
次回からは
実際にtotoruのできていく過程を書いていこうと思います。
さく

totoruができるまで 1

 


cafe&bar totoru 今年の2月にオープンを迎えてから、半年が経ちました。
本当にたくさんの人たちに支えられていることを、日々実感しています。
この半年で、食べ物のメニューや酒の数も増え、totoruのスタッフも増えました。

あっというまの6ヶ月。
まだまだできることはたくさんあって
もっともっと「いい空間」と思えるものに近づけるはず。

頑張ります。



そして、今回は茗荷谷でtotoruとなるこの物件と出会ったときのことを少し。



< 2012年8月上旬 >

店をつくるための半年間の資金集めの期間を終え、東京へ。
たくさんのミーティングを重ね、着々と出店の準備は整ってきた。
まず最初にすることは物件探し。

不動産屋を何社もまわり、何度も何度も内見を繰り返した。
自分たちでもひたすら歩き回って探し続けた。

当初、もの作りが盛んな台東区、墨田区などの「東東京」といわれるエリアを出店候補地とした。
もの作りアーティストとのコラボしギャラリーなどを企画しようとしていた。地域の連携の強さも魅力的だった。
8月東京へ戻った後、すぐに動きだせるように市場調査をずっと行ってきた。


しかし、なかなか自分たちの思う物件とは出会えない。
いい条件のものはたくさんあるし、店のイメージも湧くが
ピンとこない。

時間だけがどんどん過ぎていく。
資金も徐々に徐々に削られていく。
物件決定の予定日がだんだんと迫ってくる。
不安がどんどん大きくなる。


それでも
「きっと、惚れ込む物件がみつかる」
と期待を胸に動き続ける。



< 9月6日 >

まだ夏の暑さを感じられた雨の日。
暑さも和らいできた夕方。
初めて訪れる茗荷谷という土地。

何もないこの空間に、あったのは2つの向かい合う出入り口。

片方のシャッターを開けて中に入る。
思ってたよりも広い。
いい感じ。
何もないスケルトン状態。
かっこいい。
天井は思っていたよりも低め。
間口も広い。
開放的。

そして、もう一つのシャッターもあける。

風が通る。
気持ちいい。
雨が吹き込む。

(一番最初に撮った写真)


感性をつかまれた物件だったが、もともと出店エリアとして探していた場所とは少しずれている。

この場所で店をつくるか。
もう少し探してみるか。

いろんな考えが浮かび、なかなか覚悟を決めれないでいた。
このときも何度もミーティングを重ねながらも物件探しは続けていた。

ただ、ほかのどの物件を見ても
茗荷谷の風が通る物件はずっと頭の中にあった。
自分の中では、最初にこの物件にきたときからここで店をオープンさせたいってわかっていたんだと思う。


覚悟を決めよう。


茗荷谷で
この場所で
店を出す。



10月23日物件契約


あとは、ひたすら形にするだけ。







ここから2月23日まで工事期間が始まります。

このブログにて一つ一つの形ができていく過程を書き綴っていこうと思います。







さく
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